EMのこと 

EM関係のボトル
生ゴミ堆肥を作ろうと思った時に「EM」というものに出会いました。 EMとは「有用微生物群」の頭文字が取られた略語だそうです。 その名の通り、数十種類以上の微生物が濃い茶色の液体の中に培養されているものです。

色々な菌が入っているため、生ゴミを保存もするし逆に分解もしてくれます。
この中の微生物は、植物にいい働きをする物質を作り出してくれたり、有害な微生物を抑え、 有用微生物を増やし、結果、植物がよく育つようになる、という効果も あるもののようです。(効果は他にも色々あるようです。)

代表的なものは「EM1号」と呼ばれるもので、他に微生物の配合が違う2号や、 「EMストチュウ」とも呼ばれる5号など、色々あるようです。
写真の2番目の一番小さいボトルがEM1号です。一番左は糖蜜。 左から3番目が作ったEMストチュウ、その隣が油をEM処理した液肥です。

油の処理と液肥

EM処理した油を水で薄めました 「EM1号」を使うと、天ぷら油の残りを液肥に変えることができます。

1.8Lの醤油などが入っていたペットボトルなどに、処理したい天ぷら油を完全に冷ましてから入れます。 油200ccに対して、あらかじめ20倍に薄めておいた糖蜜を30ccEM1号を10cc入れるだけです。 10日以上寝かせて、甘酸っぱい匂いがしたら完成です。しない時はもう少し放置してみます。 これを水で20倍くらいに薄めて液肥代わりに使います。
EM処理すると、油は少しだけサラっとした感じにもなりますが、やっぱりドロッと ベタベタしたままなので、ジョウロなどは使わずに、空いた大き目のペットボトルに、希釈液を作って撒いています。 すぐ分離してしまうのでよく振りながら撒いています。
(以前は糖蜜がなかったので、黒砂糖を薄めて使ったり、余っていたガムシロップを使った こともありましたが、それでもうまく発酵してくれたようでした。)
EMストチュウ

EMストチュウ糖蜜100ccを40〜50度のお湯300ccで溶かし、水700ccお酢100cc焼酎100ccEM1号100ccを加え混ぜるだけです。
・これを常温(20〜30度)の部屋に15〜30日置いて発酵させます。 ポリ容器が膨らんだら栓をゆるめてガス抜きし、すぐ栓を閉めます。
・甘酸っぱい匂いがしたら出来上がり。一日の温度変化の少ない冷暗所で管理します。 甘酸っぱい匂いがあるうちは使えます。(約6ヶ月が目安。)
・500〜1000倍に薄めて葉の表裏に散布する。

<効果>
病害虫の予防。植物の新陳代謝を高める。葉の保護膜を強化し、病害虫の進入を防ぐ。

<注意>
・糖蜜は水だと溶けにくい。
・EM1号は35℃以上の液体と混ぜない。
・保存容器は蓋が閉まるものがいいが、液体からはガスが発生し、膨張するので ガラス製は避ける。
・発酵させるのは常温(20〜30度)。出来上がったものを保存させるのは 温度変化の少ない冷暗所だが冷蔵庫など5度以下での長期保存はできない。
・散布する時は展着剤を使うと効果が高まる。
EMぼかし

<EM・糖蜜の100倍の混合希釈液を作る>
5ccの糖蜜を40〜50℃のお湯(150cc位)で溶かす。
・これに水を加えます。お湯と合わせて500ccになるようにします。
5ccのEMを加えて混合希釈液の出来上がりです。

・大きな容器に米糠400g油粕150g魚糟150gを入れて混ぜる。
・作っておいた「EM・糖蜜の100倍の混合希釈液」を少しずつ加える。
混ぜ合わせた材料を握って、団子のようにならずに触ると壊れるくらい。
30〜40%の水分になるように加えます。

・空気に触れないようにビニール袋か密閉容器に入れ、直射日光の当たらない場所で発酵させる。 (私はスーパーのビニール袋を2重にして玄関の靴箱の下に置きました。)

<発酵期間>
夏季…  5〜  7日
冬季…10〜15日
長期…20〜40日(は種・定植直前にも使えるマイルドなもの。)
・甘酸っぱい発酵臭がしたら出来上がり。
・そのまま保存しても、陰干しして保存してもいい。

<効果>
EMが入っているので生ゴミを保存、分解するのに役立つ。
微生物の餌になる米糠がメインで植物の肥料になる油粕・魚粉も入っているので、 出来上がった生ゴミ堆肥は、更に栄養分の高いものになってくれそうです。 (ちょっと魚臭いと感じました。)

<注意>
・糖蜜は水だと溶けにくい。EM1号は35℃以上の液体と混ぜない。
・EMの混合希釈液を混ぜる時、水分過剰では腐る場合があり、水分不足では発酵が進まないので注意する。
・発酵時、ビニールを使う場合は、破れずに嫌気状態が保たれるように袋を2〜3重にする。
・発酵温度の適温は25〜30℃。15〜20℃でも徐々に進む。
・出来上がったボカシは密閉状態を保てば干さずに約6ヶ月保存できる。
・発酵期間が「長期」のものも、保存方法、保存期間は同じ。
・油粕・魚粕を使わないで、「EM・糖蜜の100倍の混合希釈液」を米糠だけに加えても、ぼかしになる。

(私は、市販のEMぼかしは使っていましたが、自分で作ったのは初めてで、 まだ使い始めたばかりです。)
(左は発酵が終わった状態、右側はそれを干したもの。) 冷暗所で寝かした後 これを生ゴミにふりかけます