5.ポリ容器
別容器での2次発酵の始まり
庭が狭いので、植物をプランターで栽培するようになっていきました。
そして庭には、そのプランターに使う土を取るスペースもなくなってきました。
それで土を買うことがとても増えて、なんだかもったいなくも思うようになりました。
買って使っていた古土もうまく庭に戻す場所がなくなってしまい、たまってしまいました。
それで、この古い土に生ゴミを混ぜていい土にして、またプランターで使おう!
と思うようになりました。
以前からyukikoOさんや、
KIKKOさんのページで別容器での
2次発酵の記述を読んでいたので、やってみることにしました。
まずは大きなプランターで
大き目で水抜き穴のあるプランターなら、庭の片隅に埋めるのと同じ状態を作れる
かな?と思って、水抜き穴のある野菜作り用の大きなプランターを買ってきました。
ここによく乾かした古土を10cmくらいひいてから、生ゴミを少しずつ、古土と混ぜながら
入れていき、最後に乾いた古土で蓋をしました。
以前、穴埋め法で生ゴミを埋めていた時に、正体不明の蛹らしきものを発見したこともあったので、
虫がこないように、でも空気は通すように、不職布を被せてゴムで止めました。
正体不明の蛹
2〜3日置きに、生ゴミと土をよく混ぜて空気を送るようにしました。
その度に表面に生ゴミが少し出てしまっていましたが、虫避けの不職布をかけているので
安心していました。
それから少し経って、またいつものように混ぜていると白っぽい幼虫を発見!
どうやら蛹になりかけているようです。これは以前、庭に埋めていた時に見ていた蛹の
少し前の段階のようです。蛹のような形で色は白っぽく、たまにピクピクとお尻の方が
動くような状態です。
不職布をかけているのにおかしいなぁ、と思って確認してみると、まずゴムがちょっと
緩すぎるようでした。そして不職布のヒダのところに隙間がありました・・。
もしかしたら不職布の網目から卵を産んでいるかもしれないし・・・。とにかく虫にやられてしまいました。
こんな気持ち悪い虫っていたんだ
見つけたら虫はびびりながらもスコップで取り去っていましたが、ある日
見た虫は、いつも見ていた蛹になりかけの、あまり動かないものではありませんでした。
思い出しても鳥肌が立ちますが、その白くて2cm弱(?)ほどの物体は、ものすごい数で、しかも、
信じられないほど激しくうごめいていました。
今まで「生ごみに虫」と聞くと、小バエのような小さいものを連想していたのですが、
ソレはイメージした虫より大きい感じがしました。一瞬、顔が青ざめ、体が硬直するほどでした。
そのままなるべく冷静を装って不職布を被せ、私は逃げました・・・・。
それから毎日、眠ろうと目をつぶると、あのニョロニョロうごめく白っぽい物体が
見えるようで、本当に眠れない夜もありました・・。
それ以来、不職布も外せずに、怖くてどうしようかと真剣に悩んでしまいました。
虫には石灰!
とりあえず「虫には石灰」とyukikoOさん
のところで見ていたので表面に石灰を撒いてみました。
でも撒いたのは「有機石灰」。これは貝などの有機物からできる石灰で、
他の石灰に比べて効き目が穏やかなようなので、虫を殺す石灰とは違うようでした・・・。
ネットで検索していくうちに、石灰が水に触れて発する熱で殺すのだと知りました。
また農文協から出ている「家庭でつくる生ごみ堆肥」という本には
●「石灰・苦土石灰を生ごみの上にひとふりすると虫が抑制できる」
●「土がアルカリ化しないように、使う量は生ごみ1kgあたり10g程度に」
●「ウジ虫を殺すためには、石灰窒素を生ごみ1kgあたり2〜5g程度撒くと効果がある」
●「石灰窒素は分解過程で毒性の物質を作るので殺虫効果がある」
・・というようなことが書かれていました。
有機石灰では効き目がないけれど、石灰は微生物を殺してしまったりなど、土に
よくないイメージもあるので、どうしようか考えてしまいました。
その時フラフラ検索していた先のサイトで、「虫が発生してもよい土ができるだけ・・」のような文章を
たまたま目にできて少し気がラクになりました。また、こういう虫を殺虫剤を使って殺すのでは、
せっかく無農薬にしても意味がない・・というのも読み、なるほどと思いました。
それに気持ちが悪いというだけで、別に攻撃してくる虫じゃないんだ、と必死で思い直して、
虫がいてもそのまま少し頑張ってみようと思い始めました。
そしてまた不職布を外して中の土をかき混ぜてみると、うごめいていた虫は黒っぽくなり、
大人しい蛹になっていました。蛹でも充分グロテスクなんですが・・・。
頑張って、見つけるたびにスコップで取り去ってみました。
その頃、生ゴミは既に形がなくなってほとんど土のようになっていました。あっという間だと思いました。
虫のお陰でほんとうに分解が早まっているのかな?とも思いました。
この虫の蛹を見たい人は
ココ
を、もう少し大きく見たい人は
ココ
をクリック。
成虫になってしまった
またしばらくしてビビリながら様子を見てみると、不職布に異変が・・・何だか黒い部分があるのです。
近づいてみるとそれはハエのようなアブのような、真っ黒い大きな虫でした。ちょっと青光りするようで、
カラスみたいにほんとに真っ黒でした。それが何匹も羽化して不職布の裏に止まったり、中を飛んだりしていました。
一瞬、倒れそうになりました・・。
例の蛆虫が蛹になり、そして羽化したと思われます・・・・・。
この虫が飛び立って、また戻って来られては困る・・・。と思うと不職布を外せず、
そのまま放置して逃げました・・・。
しばらくしてみると、不職布の裏についていたアブはみんな下に落ちて死んでいるようです。
かわいそうなことをしたかもしれませんが、また気を取り直して、気合を入れ直して、
不職布を外して、土の上に落ちている成虫は拾って捨てました。2〜3cmくらいだったと思いますが、
すごく大きくてコワイ、と思いました。
この後、不職布は無意味にも思えて外しました。
この虫は何なんだろう?
生ゴミ堆肥をやっている方はたくさんいます。それだったらこの虫の正体を知っている人もいるはず・・
と、色々検索してみました。
最初はハエの仲間かと思っていたのですが、「コウカアブ」という
名前をいくつかのサイトで発見しました。「コウカ」とは便所を指すようでした・・・。
その後、「わが家の環境武装計画」
で耳にした「アメリカミズアブ」。iokhさんに教わったURLを見てみると、まさにそれ!という成虫がいました。
やっぱりこのすっごく気持ち悪い幼虫&蛹は「アメリカミズアブ」だったのだと思います。
この虫は寒いと発生しないようです。春から秋にかけて発生するようで、夏は特に注意が必要なようでした。
(この虫を見たい方は「アメリカミズアブ」で検索してみてください・・・。)
できた土は・・・
このプランターはずっと軒下に置いていました。それで土は、だんだん乾いてきました。
この時は、虫のことだけ考えていたので水分過多にならないように・・・とだけ気を使っていて、
逆に水分が足りないと生ごみの分解がうまく進まないことを理解していませんでした。
途中経過はよさそうでしたが、とてもいい土と呼べるものは出来ませんでした。この乾いた土を
ベースにもう一度、生ごみ処理をしようと思います。
乾燥しただけの生ごみは、植物の発芽に障害を起こしてしまうようです。
虫のこと・・・
このあと私は、寒くなり始めたらプランターや家の通路などで生ごみを処理し、春・夏・秋は
畑に持っていくようになっています。
それから万が一、ポリ容器に虫の蛹や成虫を見つけても、やっきになって取り除くこともないかな、と考えたりもします。
発生したら外に飛び立ってもらうか、腐食布の中で死んだ虫も土に混ぜてしまえばいいかな?と思うようにもなりました。
でも、虫が発生している時は、水分が多めになっている気もするし、
それより「土の匂い」に異変が出てくるようにも思います。
虫のいる土はすぐそれとわかる「独特の臭さ」があります。
春から秋にかけて生ごみを処理したいときは、なるべく厚く土をかぶせて、外にできるだけ
腐敗臭がもれないようにして、早くごみをこなれさせるために、「土をよく混ぜ」たいところですが、
混ぜるとゴミが上の方に来てしまい、虫に気づかれることもあるように思うので、
一度入れたゴミは混ぜずに、ある程度こなれるまで待つのがいいのかな?と思うようになりました。
土、その後・・・
上で出来上がった、虫の発生したカラカラの土は、その後、雑草や剪定した植物をたっぷり混ぜたり、
作りかけの腐葉土を足したりして、こなれさせていきました。ここで育てたブロッコリーや
キャベツはグングン育ってくれました。(残念ながら虫や鳥にもやられ、すばらしい収穫にはなりませんでしたが・・・。)
その後、また植物を積んだ土、ベリーや薔薇の茎がたくさん残った土を足し、ジャガイモを植えました。
これも収穫はイマイチ(^^;でしたが、土が悪いという感じはあまりしなかったです。
この土にまた植物を積んでいって、また何かを育てたいと思っています。
今、この休んでいる土を眺めるとなかなかいい土だと思えます。いつのまにかミミズもいるし、
アリや団子虫、ムカデもいるけれど・・・このままどんどん巡らせていきたいと思います。
(写真はクリックすると大きくなります。)