それで、どうせ寄生されているならと、まだはっきりとしていないのに、アブラムシと一緒に
ピレトリンでやっつけてしまいました。色が変わってしまったのはピレトリンのせいです。
薬で殺したりしないで、その後の様子を観察すればよかったと思っていたところ・・・
ちょうど本で同じような虫を見かけました。
その本の虫は「ヒラタアブヤドリバチ」と書いてありました。別の本に載っていた同じような虫は
「ヒメバチ」とありました。
「花のある暮らし」の
KIKKOさんによると、「ヒラタアブヤドリバチ」はヒメバチ科で「ヒラタヒメバチ」のグループに
入る寄生蜂とのことです。
ただ、その「ヒラタアブヤドリバチ」は体長6mmほどであること、
「ヒラタヒメバチ」のグループにはヒラタアブや他のアブ・蛾の幼虫などに産卵するもう少し大きな寄生蜂が
たくさんいるらしいことなどもKIKKOさんに教えていただいたので、この寄生蜂が「ヒラタアブヤドリバチ」である
可能性は低くなってきました。ヒラタアブに産卵したシーンを見たわけではないので、他の虫がこの場所に
いた可能性も出てくると、やはり寄生蜂である「ヒメバチ」の仲間、としか言えなくなってきます。
はじめは「ヒラタアブヤドリバチ」と書いてしまっていたのですが、断定はできないので、
「ヒメバチ」(寄生蜂)と表記し直させてもらうことにします。蛾の幼虫に産卵したかアブの幼虫に産卵したか、はっきり断定できないので、
益虫とも害虫ともまだ言えません。何かわかったらまたupするようにします。
「ヒラタアブヤドリバチ」は名前の通り、ヒラタアブの幼虫に卵を産む寄生蜂らしいです。
ヒラタアブは卵を産み付けられても、ヒラタアブの幼虫は何事もなかったようにアブラムシを食べて
成長し蛹になる、とありました。
ヒラタアブヤドリバチは、ヒラタアブが蛹になっている間に中身をみんな食べてしまって、
蛹からはヒラタアブではなくヒラタアブヤドリバチが出てくる、ということになるようです。
この虫に寄生されたのがわかったのであれば、蛹になるまで待った方がいいのかも知れません。
この寄生蜂は、ヒラタアブの体内にいながら、太らせて大きくさせてから体内を食べる、
憎らしくも賢い虫なんですね・・。
それから私が見たこの寄生蜂は、アブラバチのように何度も産卵する様子だったので、これから
もっと注意深く見なければ!とも思いました。かといって卵が生みつけられていてもヒラタアブの幼虫は普通に
生活するようだし、産卵現場を見ない限りわかりそうもないですね・・。
「どんな虫にも天敵がいる」ことがわかった、というのが一番の収穫になったことかもしれません。
参考にした本はこの2冊です。両方ともすばらしい本だと思います。
「ノイバラと虫たち」藤丸篤夫 福音館書店 1300円
自然の観察事典14「アリマキ観察事典」小田英智 偕成社(値段は不明。)
「アリマキ観察事典」のあとがきで著者の小田英智さんが言っていた言葉が心に残りました。
「・・・ただ自然は、特定の生物だけが、ほかの生物をおしやって、世界をひとりじめにすることを
ゆるさないようです。そして、より多くのいろいろな生物で、地球がみたされることをのぞんでいます。・・・」
すごく納得してしまう一文です・・。