チュウレンジバチ
虫の様子
お腹がオレンジ色なので、とても目立つチュウレンジバチです。
おいしそうな新芽の近くの茎に、お尻の管を突き刺し、頭を下にして下に向かって縦に産み進んでいきます。産み進んだところは傷になるため、黒い縦線が現れます。
孵化すると、その黒い縦線のある茎がパッカリと割れて、たくさんの小さな薄緑色の幼虫が出てきます。一枚の葉をぐるりと取り囲むようにしてみんなで仲良く並んで食害します。
新芽(上)に向かって食べ進むようで産卵場所より下ではほとんど見ません。
少し大きくなると頭が黒くなり、緑の体に小さな黒い点々がはっきり見えるので、他のハバチと簡単に区別できるようになります。この頃になると一枚の葉に一匹いる感じになってきます。また、いつもお尻を上げて強そうなフリ(?)をしているのもこの虫の特徴の一つだと思います。バラによくいるのは「アカスジチュウレンジ」だという一文を読んだこともありますが、自分がいつも
見ている虫がそうとははっきりわかりません。
対処と効果
オレンジ色の成虫が飛んでいるのを見つけたら、蚊をはたくようにやっつけるようにしています。
除虫菊スプレーを使えばボトッと落ちますが、やっつけきれていないこともあるので落ちた虫も
きちんと始末するようにします。
産卵管を茎に刺した虫は、動けないようなので、ゆっくり慌てず取り去ります。
産卵跡の黒い線を見かけると幼虫が孵る前に、剪定してしまったこともありましたが、せっかくの新芽を切ってしまうことに
なるので、剪定しないで虫追祭などを散布するようになりました。
また、Yukinoさんに教わったように竹串で産卵跡をかき壊したこともありますが、今は、この産卵跡に対しては何もしないでいます・・。
幼虫は孵化すると一枚の葉に群がり、葉の周りにズラリと並んで食べ進みます。退治する時はこの一枚の
葉を取り去ればいいだけなので楽です。少しペースの速い虫もいるので、もう少し上の方などにいるものも
見てみます。
散布や見回りを怠っていると、よく太った幼虫が鈴なりになっていて、新しい枝の先端の葉がみんな葉脈だけに
なってしまうことがあるので注意します。
産卵された茎から幼虫たちが出てくると、茎はパックリと割れて醜く変形しますが、
枝が枯れることはほとんどありません。
ほとんどないのですが、一度だけ、スタンウェル・パーペチュアルの細い細い茎に産卵されてしまった時、
その枝が折れて枯れてしまいました。(写真・・・左下が枝先)
でも重ねて言いますが、一度だけで、こういうことはめったにないことのように思っています。
手の届かない上の方に伸びた枝を放置していたら上の右側の写真のように骸骨になってしまったこともありました。
それでも枝先をかじられるのとは違い、葉を食べるだけなので少しは我慢できる虫だと思えてしまっています。
(キングのシュート。)
成虫も、幼虫も、わりとよく目立つので対処しやすく、そんなに嫌な虫ではないように思ったりもするのですが、
蛹がどうなるのかは、ずっとわからないでいました。
なんと、充分大きくなった幼虫は、土に潜って蛹になって翌春に孵化するのだそうです!
まだ小さい虫は少し揺らしても簡単には落ちないのに、大きく太った幼虫は少し枝をゆするだけでボトボト
落っこちるのを思い出しました。今までは落ちてしまう虫は気にせずそのままにしていたのですが、
こうやって土に潜っていくのだとしたら、注意して取り去らなければいけないなと思いました。
あとは・・・土の中の繭を一度見てみたいです・・。
○散布剤については「病害虫」のトップページにある
「使っている薬」をご覧ください。